カウント3ボールノーストライク。
ほとんどの少年野球チームの指示は「待て」でしょう。しかし、我がチームは「打て」です。
チームのモットーが「好球必打」(絶好球は必ず打つ)なんだから当たり前です。
ど真ん中を見逃そうもんならブーブー言います。
絶好球は常に振る。なぜか。
簡単に言えば、子供の積極性を育むため、打席で迷いを生じさせないためです。
目の前の1勝にこだわるなら「待て」が正解かもしれないが、個々の打撃力を伸ばすなら「好球必打」。
ヒットを打った!という成功体験を1本でも多く積ませたいし。
中期的にチームの攻撃力を向上させるためにも「打て」が正しいと考えています。
ところが……
先日のYBBL初戦でハプニングが起きました。
2点をリードした終盤。なお1死満塁でノースリー。何としても追加点が欲しい場面で、ベンチから「1球待て!」の声が飛んだのです。
間違った指示だが、投手はモーションに入り、もはや取り消せない。声の方向に鋭い視線が注がれた次の瞬間、素晴らしい光景が広がりました。
打席の五年生が、ど真ん中をフルスイングしたのです。かすりもしなかったけど、体が裏返るほど力強く、迷いのない一振りでした。
この五年生いわく
「普段から3-0でも良い球は打つように言われていた。だからベンチの指示は『嘘』だと思った」
なんと素晴らしい。「好球必打」の姿勢は、子供たちに浸透していました。
それに引き換え、なんと愚かな……。
ちなみに、この打席の結果は5球目が外れて押し出し四球。「待て」の声の主は深く反省し、あらためて言葉の意味を心に刻みました。
好球=球技、特に野球で、打ったり受けたりしやすい球。「好球を見のがす」「好球必打」